「最低で最高です」

「なんか最近丸くない?」

 

久しぶりのライブハウス、

久しぶりに会った友達に言われた

 

普通に見た目の話かと思って

「は?」が一言目。

喧嘩か?やるか?と戦闘態勢に入ろうとしたけど

そうでなく、ここ最近の"イロニカ"のことらしい

 

何気にみんな各SNSは見てくれてるらしいし、

配信者になっていることも知ってて、

「お、配信者いんじゃん!!」

何回言われたか、そしていちいち騒ぎ立てるからうるさい。笑

 

ま、そんなのは会って最初にとりあえずやるお決まりの遊びなのもわかってる。

こちらもつい最近彼女と別れた奴に「ネトラレ」と名前をつけるなど。

 

ライブハウスには"戦友"であり"飲み友達"であり"仲間"が本当に多い。

 

だからサーキットフェスとかには行きたくない。

どこから誰に名前を叫ばれても不思議じゃないし、

最悪の場合はそのまま拉致られて居酒屋。

気が付けば次の日。

 

誰かが行方不明、も、男のバンドマンが気が付いたら全裸で寝てる、も

突然の路上ライブ開催、も、マンホールを開けて中に入ろうとする奴、も

もはや何を見ても驚かないレベルでお酒の場では

性別も年齢も出会った日も超えてナンデモアリなセカイ。

起きたらゴミ捨て場に捨てられてたこともある。笑

 

と、まあお酒が入ると本当にアレなんだけど、

もちろん本業での手抜きは一切なしで。

 

各々のバンドで、その出番が来れば

いくつ色が合っても足りないほど色鮮やかに輝く。

1つも同じじゃないのが不思議なくらいに。

 

バンドと、そのファンの方々を見ているのが好き。

お互いの「熱量」が交差する瞬間が好き。

 

彼らがステージに立っているときと降りているとき、

そのどちらの人間性も好き。

 

とあるバンドはいつ見ても本当に楽しそうにライブをしていて、

毎回バンドっていいなあと思わせてくれるのだけど、

それを彼らに伝えると

「どうでしょうねえ?」ってにやにやしながら言う。

まあ十何年も続ける中で内部では色々あるよってことなんだけど。

それを見せないんだからやっぱりプロやね。

 

なんか愛を語ってしまったけれど、

冒頭に書いた、”その日”いわれた言葉。

 

そもそも"イロニカ"という名前で呼ぶ人間が

その日はファンの方を除けば友達には一人もいなかったわけだけど、

"イロニカ"のお話として。

 

彼らいわく、

「前のイロニカはもっと尖ってた」だそう。

そんなつもりはなかったけれど。

 

誰に嫌われてもどうでもいいって顔をしてて、

「自分を好きじゃないなら今すぐ消えろ」

とも言ってたらしくて、

だけどメンヘラで、大人っぽいのに子供で、

嫌なことは嫌だし、すぐ泣くしふてくされるし、

でもそれを全部彼らにぶつけるから面白い、のだそう。

少し前までは「もっと自分の気持ちに素直だった」らしい。

 

変わったつもりもなかったけど、

「たしかに」と思った。

今目の前にいる彼らや他の人達にも、その時の感情をもろに出してはいたけど、

これで嫌われるかも、とは1mmも思わなかった。思った記憶がない。

 

むしろ、『この自分も含めて全部好いてよ』と思っていた。

 

まあさすがに大人だし…我慢を覚えるくらいは…

と言い訳みたいな"返答"が口から出る前に

「そんな猫被って、言いたいことも言わなくて、嫌われるの怖がってんの?」

と言われた。

 

何にも言い返せなくてよくわからない相槌を打った。

今は『好かれるためにはどうするか』だったかも。

 

 

「今の場所でどれだけ嫌われたとしても

いつでも飲み行ってやるから自分に嘘は良くないで」

 

「でもいま周りに居る人たちのこと、もっと信用してもいいと思うけど」

「多分絶対一人にはならない」

 

「実際、好きに振舞ってるイロニカの方が好かれると思うぞ」

 

そんなようなことを言われた。

なんというか、肩の荷が下りたような、

真意を突かれたような気持ち。

 

今、信頼していると思っていた人たちのことを

実のところそういう意味では信じ切れてなかったのかもしれない

 

 ってことまで思い出させてもらえたのだから、

あの日ライブを観に行ってよかった。

 

いつも"大切"を思い出させてくれるのはこの場所、

それは変わらないと思う。

 

自分も含めて全員売れろ